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シニアビジネスは男がつくる | ||
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第2章 シニアビジネスを成功に導く12のポイント
資産運用、不動産管理がビジネスになる
日本人は、死ぬ瞬間が一番の金持ちだと聞きました。ちなみにイタリア人は、お金を使い切ってから死ぬそうです。国民性の違いが顕著に現れていますね。 医療マーケティング研究所(http://iryou-marketing.co.jp/)の角田晃一さんによれば、退職後の不安のビック3は、生活費の不安、健康の不安、年金が止まることだそうです。 一番の不安はやはり生活費、お金の不安なのでしょう。寿命がわからないからですが、「お金=富裕層」は、ごく一部です。ということは、お金にまつわる資産を運用するとか、家賃をもらうビジネスをやるとか、こういうことがこれからの大きなビジネスになります。 シニアが何を求めているのか、まとめてみました。 1死ぬまで現金を稼ぐこと! 作家の宇野千代さんが瀬戸内寂聴さんと対談したときのことです。宇野さんが、「アナタ、年をとっても現金収入よ」と言ったそうです。 この話を読んだときに「現金を稼がないとボケる」「死ぬほど現金を稼ぐ」「死ぬまで現金を稼ぐ」というフレーズが頭に浮かんできました。人は年齢に関係なく、現金が欲しいと思っているようなのです。 2ノーマネーノーフリーダム 作家の橘玲さんが、「ノーマネーノーフリーダム」について文藝春秋の中で次のように書いていました。 カンボジアで案内してくれた貧しい青年を、 「毎日、貧しいと生きるだけでまったく自由がない その青年がお金を貯めているのは、自由を得るためだ 私たちはみな自由な人生を当然のように享受しているが、今、豊かさをすべて失ったときに、自由だろうか?」 (『55歳から金持ちになる方法』 二〇〇六年七月号掲載) 日本が豊かになったのは、そんなに昔のことではありません。多分、一九七〇年代ぐらいからなので、三六年くらいしか経っていません。少なくても、私の学生時代はまだ貧しかったですから。 ということは、私達が貧乏に逆戻りするのも、そんなに時間がかからないとも言えるでしょう。貧乏になれば、自由が奪われます。 この言葉はシニアにそっくり当てはまります。年を取りますと、お金の不安は第一です。逆に考えますとこのサポートをしてあげることこそ、シニアビジネスで成功するための根幹になります。また、橘さんは次の例を出しています。これも参考になります。 期待資産額(老後への持参金) 老後は、「やり直しが効かないという恐怖」があります。その尺度として紹介しているのが次の算式です。 期待資産額(純資産)=年齢×年収/10 (『となりの億万長者』 トマス・スタンリー著、早川書房刊) 世の中が豊かになってくると、社会の大半は実感として貧しかった時代のことがわからなくなります。貧しさを体験した世代でさえ、忘れてしまいます。 「お金がすべてではない」と言えるのは、実は大変恵まれている証でもあります。でも、シニアになると先行きが見えない不安からやっぱりお金が大事と思い出すのでしょう。人生とは実におもしろいものです。 3シニアの運用のポイント ポイントは「安全性」と「収益性」です。「毎月定期収入」というのもポイントですね。最近、シニア向けの投資信託が出てきました。ポイントは毎月収益分配という商品が売れています。やはり、毎月の現金収入はシニアにとってうれしい。 4広い意味のお金 お金は別に現金でなくてもかまいません。不動産でもいいでしょう。たとえば診療所を老人ホームにするというケースが出てきました。独身寮を老人ホームにするような話もあります。家賃収入が確保されれば、みなし現金収入となります。 未病の人たちも多くいます。健康でもないけど介護もしていない。金持ちでもないけどそこそこの生活をしています。貧乏でもなければ、持ち家もあります。 この人たちの現金収入をサポートするだけでも、膨大なマーケットがあります。担保になる持ち家がありますから、自宅を年金にしてくれるリバース・モーゲージの需要も高い。 そろそろここの部分に手をつけた金融機関も出はじめています。信託銀行ではボリュームが合わないのですが、工夫すればできないことはありません。 たとえば生命保険と結びつけるといい商品ができるのではないか? 年金のプラスアルファで毎月定期的にお金が入ればいいなとシニアの大部分は思っています。 三、〇〇〇万円か四、〇〇〇万円ぐらいの家の評価があったら、リバース・モーゲージを組み合わせて、それにちょっと保険を組み合わせただけでも、膨大なマーケットが出るだろうと、私は感じています。 最初は大変ですけど、やろうと思って腹を決めてやればできないことはありません。老人ホームの中で信託をやったっていいわけです。何で老人ホームだったら老人ホームのことだけをケアしなくてはならないのでしょう。 今はできないらしいのですが、高齢者のローンだってやってもいいでしょう。生前に支払う保険や生前葬式予約など、考えただけでもたくさんあります。 今度、信託法が変わりますと、信託銀行だけの独占業務ではなくなり、自由参入ができる可能性が出てきました。 考えてみると、どれに手をつけてもビジネスのネタが本当にあります。要するにビジネスとしてやるかやらないか、そこが勝負なのです。 5相続でも土地はキーワード 前ページの高齢者白書を見てもわかりますが、不動産を子供に譲ることについての調査も興味深い。「不動産をそのまま子供に継がせるべきである」という考え方が、七五歳以上だと約六〇~七〇%に上ります。 「自分の老後の資金として売却などして活用したい」「どちらとも言えない」が、三〇%前後となっており、圧倒的に親は子どもに不動産を譲りたがっていることがわかります。