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シニアビジネスは男がつくる | ||
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第2章 シニアビジネスを成功に導く12のポイント
「女」より「男」にビジネスの可能性がある
1シニアビジネスも女性が主導権? 自殺者の数は女よりも男が多いそうです。女性は絶対に死なない。引退すると男性は「ビジョン」がない、「テレビジョン」しかないと言います(フリープロデューサー 木村政雄さん)。 ですから現在、ビジネスするには、女性の気持ちがわからないと商売になりません。伊勢丹メンズ館は「女性化した男性」を狙って成功したと言われています。女性化したオシャレな男性向けに特化したのも成功の要因だそうです。 伊勢丹メンズ館は、百貨店紳士服市場の約四分の一のシェアを占めています。全体一、六〇〇億円分の伊勢丹メンズ館の売上四〇〇億円は、ほとんどひとり勝ちの状態です。新宿に行ったら一度、伊勢丹のメンズ館を見ていただきたい。全部、女性用に作ってあります。男ものを売っていますが、購買の決定権は女性だとも言います(https://www.isetan.co.jp/icm2/jsp/store/shinjuku/index.jsp)。 ところで、現在は一〇〇歳以上の人口は五万人ぐらいいるのですが、その八五%は女性です。一〇〇歳以上の男は一五%しかいません。そう考えますと、ビジネスをする場合に、女性が主導権を握るというのが定説です。 昼飯も女性が懐石、男は定食を食べています。どの本を読んでも書かれているのは、男性の旗色が悪いということ。シニアビジネスでも女性が主流の展開です。老人ホームの女性と男性の割合は、八対二だそうです。女性のほうが多いわけです。それに女性のほうが男性よりも要求がきついそうです。男性は年をとった人が面倒を見ても文句を言わないらしいんですが、女性は若い男でないと文句を言うらしい。 男に元気がなくて、女性が元気なのですね。 でもどうでしょうか。あえて言いますと、シニア社会は男が主導、こんな仮説を立ててみました。どうしてなのかを紹介しましょう。 2シニアビジネスは果たして「女性のビジネス」なのか 日本の特徴は、低金利で一〇年以上も続いてきました。それによって所得が個人から法人に多く移行しました。もうひとつは戦後、もっと長いレンジで考えると、給与の振り込みによってお金が女性(主婦)に全部流れたんです。ですから、今、お金を使っているのは女性だけです。そのためみんなが「女性の時代だ」と言います。デパートを見ますと、だいたい紳士服売り場は六階か七階ですね。だから、エスカレーターに乗ってどんどん上に行かないと紳士服は買えません。もうデパートも、男をばかにしきっています。 シニアと女性向けのパソコン教室(株式会社ホーム・コンピューティング・ネットワークhttp://www.hcn.co.jp/)をやっている会社があります。当初は単純にパソコン教室をはじめたのですが、結局、残ったのはシニアの男と女だけになってしまったそうです。その教室ではこの人達だけで一万五〇〇〇人ぐらいの生徒がいて、みんな一生懸命になってパソコンのスキルを磨いています。 そんなふうですから、次のような冗談のような会話がいきかっているそうです。パソコンが普及しはじめた初期には、よくありました。 ・環境を変えてください(部屋の環境を変えて、窓を開ける)。 ・ウインドウを閉めてください(ハイ、窓をしめました)。 ・立ち上がりましたか?(ハイ、自分が立つ)。 ところが、だんだんとパソコンに慣れてきた受講生の希望は、もっかネットで株の売買をすることだと言います。人間はすぐに進化します。 そのポイントは次の通りです。 ・シニアは継続率が高い(パソコンは道具、本音は、行くだけで楽しい)。 ・女性のグループに男性を一人入れると活性化する。 ・パソコンをやると、ネットで株をやりたがる。 ・パソコン教室でもターゲットは、シニア&ミセス。 シニアを勉強してきますと、やはり時代が見えてきます。 シニアの男も捨てたものではないなと思いました。女の時代だと言いますが、逆に私はこれからシニアのビジネスは男の使いようではないかと思うのです。何せ男性は引退したらやることがないのですから。しかも、六〇代以上の男性が急増と言っていましたから、やはり男もやることがなくなるんです。 ピアノ教室も料理教室もシニアばかりです。ヤマハのピアノ教室(http://www.yamaha-ongaku.com/)に聞いてみますと、半分は子供たちで、半分はシニアです。随分とここ数年で授業風景も様変わりしたことでしょう。 余談になりますが、六本木ヒルズ族が話題になっていたころに、中年男の話題の中心はライブドアでも村上ファンドでもなかったというのです。一番の話題は、一夫多妻のような中年のおっちゃんが一〇人の女性をはべらしてつかまった事件でした。一〇人の女性のうち二人は、ものすごいべっぴんらしいという話でうらやましいと盛り上がっていたらしいんです。 年をとってももてたい。あれが中年男性の理想の姿だと言っていました。ちょっと横道にそれましたけど、これからは「シニア・アンド・ミセス」ではなくて「シニア・アンド・ミスター」じゃないかと思っています。 ところで、コヤジという言葉もあるそうです。「コヤジ」とはいつまでも若いつもりでいる、コジャレた「おやじ」のことです(マーケティングコンサルタント西川りゅうじん氏)。これらの例を見ても「男よ頑張れ! 男がシニア社会のキーワードである」と強調したい。